【3月8日 AFP】サハラ以南のアフリカ地域で、トウモロコシやバナナ、マメ類を中心とした主食穀物を栽培するために必要な広大な農地が、気候変動によって奪われると警告する研究結果が7日、発表された。

 英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に掲載された研究論文の執筆者らによると、現在のトウモロコシとバナナの栽培面積の最大3割が、今世紀にその目的に適さない状態になる恐れがあるという。

 マメ類に関しては「この数字が最大6割まで上昇する」と、コロンビアに本部を置く国際熱帯農業センター(CIAT)は声明で指摘している。

 これらの数字は、最悪の事態を想定したシナリオの気候変動予測に基づくものだ。このシナリオでは今世紀、温室効果ガスの排出が弱まることなく増加し続け、気温が産業革命前の水準から4.8度高くなるとされる。

 食糧不足が起きないようにするため、作物を熱や干ばつに強いソルガム(モロコシ)やミレット(キビ・アワ・ヒエなどの雑穀類の総称)に切り替えるべきだと、研究チームは勧告している。

「作物の品種改良などの解決策は、完了までに最低でも15年の歳月を要する可能性があることを考えれば、早急な行動が不可欠だと報告書の執筆者らは強調している」とCIATの声明は述べている。

 西アフリカのバナナ栽培地は、今後10年以内に利用する土地を変更する必要が生じ、アンゴラ、南アフリカ、ウガンダ、タンザニア、ジンバブエなどの国々のマメ類の栽培地は、2050年までに同様の変更を余儀なくされる。

「ニジェールのトウモロコシ栽培地域全体は、2100年までに転換を講じる必要がある」と声明は述べている。

「ベナンのヤムイモ栽培面積の約30%、およびセネガルのラッカセイ栽培面積の35%が、今世紀末までにその栽培に適さなくなるだろう」(c)AFP