【3月7日 AFP】仏最古の原子力発電所が今年末までに閉鎖となることが6日、明らかになった。フランスのエマニュエル・コス(Emmanuelle Cosse)住宅・持続的居住大臣が記者団に対して述べた。同発電所をめぐっては、隣国のドイツやスイスとの間で論争の種となっていた。

 1977年から稼働のフェッセンハイム(Fessenheim)の原子力発電所をめぐっては、2014年に起きた事故が当初の説明よりも深刻だったとする報告書の発表を受け、ドイツ政府は4日、フランスに対して施設の閉鎖を要求していた。仏側はこれを一蹴、論争に発展していた。

 仏原子力安全局(ASN)は、安全性の面から言えばフェッセンハイム原発は「全体的に要件を満たしている」と説明。ただ、政府のエネルギー政策により異なる選択肢にたどり着く可能性はあるとも述べていた。安全性の観点からは、同施設を閉鎖する「必要性はない」としている。

 仏政府は、2025年までに原子炉24基を閉鎖し、原子力エネルギーへの依存度を現在の75%以上から50%に減少させることを約束しており、同時に再生可能エネルギーの比率も高めるとしている。

 フェッセンハイムの原子力発電所は、地震を引き起こす断層線上に位置している。このことが、仏独スイスの環境保護を訴える人々の懸念事項となっていた。(c)AFP