【3月5日 AFP】米大統領選の共和党指名候補争いで首位を走るドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は4日、テロ容疑者の拷問やその家族の殺害を主張した発言を突然撤回し、また米大統領に選ばれたら国際法に違反するようなことを米軍に命じることはないと明言した。

 トランプ氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に声明を発表し「テロリストを阻止するために私はあらゆる法的権限を行使する。しかし、米国が法と条約に拘束されていることは理解しており、わが国の軍やその他の関連部局にそうした法に違反するような命令を下すつもりはない。そうした問題については軍や関連部局に助言を求める」と述べた。

 この声明とは対照的に、3日の共和党候補討論会でトランプ氏は、それまでの持論をさらに積極的に訴え、自分が大統領に選出されたら、水責めより「はるかにひどい」ことを行うと述べ、テロリストの容疑者の家族を攻撃対象にしても「何の問題もない」と主張していた。

 討論会ではさらに「中東で人の首をはねる、けだものの奴らを想像してみてほしい。われわれが水責めを行うにも手を焼いているのを眺めながら、ああだこうだ言ってるんだ」と述べ、この数か月間行ってきたのと同様の発言を繰り返した。

 トランプ氏の高圧的な発言は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などの掃討作戦を進める米国主導の有志連合の成果や交戦規定に不満を持つ層からは支持を受けていたが、それ以外の幅広い層から激しい非難を浴び、専門家らも、国防総省はいかなる違法な命令も拒否するだろうと指摘していた。

 3日の討論会でトランプ氏は、これまでにさまざまな問題で政治姿勢を翻してきたことを対立候補から批判されており、今回の前言撤回もそうした批判をさらにあおることになるとみられる。トランプ氏は討論会で、自分は「柔軟なだけ」だと反論していた。(c)AFP/Thomas WATKINS