【3月3日 AFP】アルペンスキーW杯で5度目の総合優勝を目指していたリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)が、先週のレース中の転倒により膝を骨折し、シーズン絶望になったことを発表した。

 ボンはフェイスブック(Facebook)の中で、「先週の土曜日(27日)に負傷した結果、私は今日、シーズンを終え、W杯の戦いから身を引くという難しい決断を下しました」と述べた。

「現在W杯で総合首位に立っている私にとって、キャリアでも大変つらい決断の一つになりました」

 31歳のスピード系女王ボンは、アンドラのソルデュ(Soldeu)で行われたスーパー大回転第6戦のレース中に激しく転倒し、左膝のヘアライン骨折と診断を受けていた。

 けがを押して翌日のアルペン複合に出場したボンだが、今週に入ってから膝の再検査を行った結果、状態が予想以上に悪かったという。

「画像を見たところ、1か所のヘアライン骨折ではなく、3か所でした。しかも骨折はヘアライン(細くひび割れている状態)ではなく、安全にスキー競技を続けることが難しいくらいのものでした」

「ひび割れているところにさらなる衝撃が加わると、重傷を招く危険があるそうで、スキー選手としての将来をリスクにさらすことはできません」

「サンモリッツ(St. Moritz)で行われる来年の世界選手権(2017 FIS Alpine World Ski Championships)や、その翌年に控える韓国での冬季五輪のことを考えたら、そのリスクは冒せません」

 総合首位のボンだが、2位ララ・グート(Lara Gut、スイス)との差はわずか28ポイントで、数レースが残っていることを考えれば、このまま1位の座を守るのは厳しい。(c)AFP