【3月2日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)シャーロット・ホーネッツ(Charlotte Hornets)の台湾系米国人選手ジェレミー・リン(Jeremy Lin)が、今年のアカデミー賞(Academy Awards)授賞式で、司会の黒人コメディアン、クリス・ロック(Chris Rock)がアジア人の子ども3人を舞台に上げて披露したジョークを批判した。

 先月28日に授賞式が開催された第88回アカデミー賞は俳優部門に非白人が一人もノミネートされなかったことが多様性の欠如を示していると批判されていたが、ロックの司会はおおむね好評だった。

 しかし、ロックがアジア人の子ども3人を「投票計算係」として授賞式の会場ドルビー・シアター(Dolby Theatre)のステージに上げ、アジア人は算数に強いというステレオタイプの寸劇を披露したことを、ジェレミー・リンは批判した。

 リンは「本当にこんなのはいつになったら変わるのか」「アジア人たたきはかっこいいとかOKだとかというのは、もううんざりだ」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 俳優のジェフリー・ライト(Jeffrey Wright)も「オスカーで、アジア人に対するばかなジョーク。その後で多様性について説教だ?さよなら」とツイッターに書き込んだ。

 両親が台湾出身のリンは1日に米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に寄せたコメントの中で「アジア人のために言うべき時が来たと思った」と述べ義務感から発言したことを明かし、次のように語った。

「芝居ではアジア人はいつも似たような役だ。本当はもっと幅が広いんだ。もう少しだけ、僕たちはみんなが思っているのとは違うんだと声を上げていけば、こういった壁を崩していけるかもしれない」

(c)AFP