【3月1日 AFP】フランス北部の港湾都市カレー(Calais)郊外にある大規模な移民キャンプ、通称「ジャングル(Jungle)」で2月29日、当局が小屋の一部撤去を始めたことを受け、移民と機動隊との間で衝突が発生した。

 作業員約20人が現場に入り小屋を解体し始めると、移民らが抗議。警察当局は催涙ガス弾を使用して鎮圧を図った。さらに移民と英活動家団体「ノーボーダーズ(No Borders)」のメンバーらが、キャンプ内の約20の小屋に放火。敷地内の衝突は午後いっぱい続いた。

 AFP記者によると、夜になると移民ら約150人が、英国に渡るため近くの港湾道路を走る車両に投石を開始。道路の一部を1時間ほど占拠し、なかには鉄の棒を振り回す者もいた。警察は催涙ガスで応酬した。

 港湾道は警察がグリニッジ標準時(GMT)の29日午後6時45分(日本時間3月1日午前3時45分)までに取り返したものの、現場にはがれきが散乱している。地元当局によると、ノー・ボーダーズの活動家3人と移民1人が逮捕された。

 キャンプの南側半分を対象とする今回の撤去作業は、慈善団体による差し止め命令の請求が先週、裁判所によって退けられたことを受けて始まっていた。(c)AFP