【2月29日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の新会長に選出されたジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)氏は28日、スイス・チューリヒ(Zurich)にこの日開館したFIFA世界サッカー博物館(FIFA World Football Museum)の設立に寄与したジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長に敬意を表した。

 26日に行われた臨時総会でブラッター氏の後任に選出されたインファンティーノ新会長は、就任後初となる活動に臨んだ。

 総工費1億4000万スイスフラン(約160億円)の博物館についてインファンティーノ会長は、「サッカーの普遍性を反映した優れた博物館です。ゼップ・ブラッターの好アイデア。博物館は彼の構想によるものです」と語った。

 インファンティーノ会長は、マルクス・カットナー(Markus Kattner)事務局長代理や元スイス代表のステファヌ・シャピュイサ(Stephane Chapuisat)氏とともに開館に立ち会ったが、汚職の罪に問われて6年間の活動停止処分を受けたブラッター前会長の姿はなかった。

 ブラッター前会長は、ボールや1938年のW杯を制したイタリア代表のユニホームといった記念品などが詰まったこの博物館への思い入れが強かった。しかしながら、総額2億ドル(約225億円)を超える贈収賄で幹部の多くが逮捕された、この9か月間のFIFAの騒動についての言及は一切なされていない。

 ブラッター前会長についての言及も最小限で、歴代の会長の写真の中に並んでいる程度となっている。

 シュテファン・ヨスト(Stefan Jost)館長は「博物館は個人についてのものではありません。世界の人々にサッカーが何を与えているかを伝える博物館です」とコメントしている。(c)AFP