【2月27日 AFP】南米コロンビアの首都ボゴタ(Bogota)で25日、火山の噴火による泥流に住宅がのみ込まれて生き別れになっていた2人の姉妹が30年ぶりに再会した。姉がソーシャルサイトのフェイスブック(Facebook)で妹を見つけたのがきっかけだった。

 再会したのは、ジャクリーン・サンチェス(Jaquelin Sanchez)さん(39)とロレーナ・サントス(Lorena Santos)さん(33)。1985年11月、ネバドデルルイス(Nevado del Ruiz)山の噴火によって泥流が発生し、中西部トリマ(Tolima)州アルメロ(Armero)を中心に約2万5000人が死亡した時、2人はまだ幼い子どもだった。

 その後、2人は母親にもお互いにも再び会うことはなかったが、姉のジャクリーンさんが2、3か月前、フェイスブックに投稿された動画で同災害の被害者だと語るロレーナさんを見つけた。

 ジャクリーンさんは25日に開かれた記者会見で「私は毎日この動画を見て、毎回言ったんです。『これは私の妹だ、これは私の妹だ』って」と語った。遺伝子検査で同じ母親の娘だと証明された2人は感動的な再会を果たした。

 災害の被害者を支援しているアルマンド・アルメロ基金(Armando Armero Foundation)によると、同災害に遭った、いわゆる「失われた子供たち」の中で、災害を生き延び、再会したのはこの2人が初めてだという。

 災害に見舞われた時、ロレーナさんはわずか2歳だったが、自分が養子だということは、ずっと前から知っていたと語った。ロレーナさんは3年前にアルメロを訪れた後、遺伝子検査を受けた。同基金の助けを得て母親を見つけることが目的だったが、代わりに姉が見つかったことに驚きを隠せない。

「私はまだ、自分の中で理解しようとしている最中です。30年もたってから姉がいると言われても、それを受け止めるのは簡単ではありません」と、ロレーナさんは述べた。

 災害の被害を受けた多くの母親は、回復して病院を出たあと、子供たちがすでに養子に出されたことを知った。何人かはまだ、子供たちの行方を捜している。(c)AFP