【2月26日 AFP】インド北部ハリヤナ(Haryana)州で先週から続いていたカースト集団の暴動について、当局は25日、死者が28人に増えたことを明らかにした。ただ、暴動自体は鎮静化したという。一方で、暴動の最中に少なくとも10人の女性がレイプされたと報じられており、裁判所が当局に捜査を求めている。

 ハリヤナ州では、公務員採用や教育機関などでの優遇措置を求めて「ジャート(Jat)」と呼ばれるカースト集団が率いるデモが続き、先週末に大規模な暴動に発展していた。

 インドでは、不可触民として知られる最底辺の「ダリット(dalits)」をはじめ、低位カーストの人を対象に公務員採用や大学入試で一定の優先枠が設けられている。ジャートの指導者らは、優遇措置の要求を州政府が受け入れたことを受け、22日に抗議行動の打ち切りを発表。抗議の中心地となったロータク(Rohtak)県の学校や商店は再開した。

 AFPの取材に応じた州当局者によると、これまでに警官の発砲などで28人が死亡、200人以上が負傷した。ここ2日間は州内で暴動の報告はなく、道路は全て安全が確保され、状況は徐々に正常化しつつあるという。ただ警察によると、ロータク県内の数か所ではカースト間の衝突をめぐり緊張状態が続いている。

 一方のソニパト(Sonipat)県では、少なくとも女性10人がジャートの暴徒に服をはぎ取られレイプされたと報じられており、パンジャブ(Punjab)・ハリヤナ高等裁判所は24日、性的暴行事件の疑いでの捜査を州当局に求めた。(c)AFP