【2月26日 AFP】欧州の移民危機への対応をめぐってオーストリアと対立しているギリシャの外務省は25日、駐オーストリア大使を協議のためとして召還した。

 ギリシャ外務省の声明は、オーストリアがギリシャを招かずに西バルカン諸国と会合を開いたことについて、移民危機への対処で「19世紀にさかのぼる」ような手法が使われていると批判。大使召還は、両国の「国家・国民間の友好関係を守る」ための措置だとしつつ、「欧州連合(EU)加盟国が、難民(危機)を解決するために一方的な行動を取ったり、国際法やEU法に違反したりすることは、欧州統合の基盤やプロセスを損ないかねない」とくぎを刺した。

 ギリシャは北欧や西欧を目指す移民たちの経由地となっており、各国の入国管理厳格化を受け、ギリシャ国内で数千人の難民が足止めされる事態が起きている。ギリシャ政府は、オーストリアが難民受け入れを一切拒否しているEU内の強硬派と手を組み、移民危機に対する欧州の対応一本化を阻害していると非難している。

 一方のオーストリア外務省は、大使召還でギリシャは「オーストリアなど移民が殺到する国々が直面している課題について知る機会」になると、皮肉まじりに応酬。「ギリシャが移民流入抑制に貢献し、欧州からの支援を受け入れる用意を整えるよう望んでいる」と述べた。(c)AFP