【2月25日 AFP】フィリピンのカトリック教会は24日、米歌手マドンナ(Madonna、57)の同国初公演について、過激な性的表現に満ちた「悪魔の所業」だとしてカトリック教徒らにボイコットを呼び掛けた。

「ライク・ア・ヴァージン(Like A Virgin)」や「エロティカ(Erotica)」などのヒット曲で知られるマドンナは24~25日、「レベル・ハート・ツアー(Rebel Heart Tour)」と銘打ったワールドツアーの一環として首都マニラ(Manila)でフィリピン初のコンサートを開催中。

 これに先立ち、フィリピン・カトリック中央協議会(Catholic Bishops Conference of the Philippines)のホームページに掲載された声明で、ラモン・アルゲレス(Ramon Arguelles)大司教は「ピノイ(フィリピン人)と神を愛するすべての人々は、罪を遠ざけ、罪を犯す機会を避けなければならない」と呼び掛け、マドンナのコンサートは「邪悪な者による巧妙な攻撃だ」「カトリック国であるフィリピンが、どうして神と聖なる母を冒涜(ぼうとく)するのに絶好の地などでありえよう」と非難した。

 アルゲレス大司教は、米歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)が2012年にマニラでコンサートを行った際にも、悪魔の仕業だとして反対を唱えていた。人口1億人のうち8割がカトリック教徒のフィリピンでは、保守的なカトリック司教らがこうした批判を声高に行うことが多い。

 マドンナが今月に入って開始したアジアツアーは、他国でも物議を醸している。シンガポールでは、やはりカトリックの司教が宗教に対する侮辱だとしてコンサートのボイコットを呼び掛けたほか、台北(Taipei)のコンサートではマドンナが台湾の旗を掲げたことに中国で怒りの声が上がった。(c)AFP