■発見には数年を要する

 米カリフォルニア工科大学(Caltech)のマイク・ブラウン(Mike Brown)氏とコンスタンティン・バティギン(Konstantin Batygin)氏の天文学者チームは1月、「プラネット・ナイン(Planet Nine)」と呼ぶ、太陽系第9惑星の存在を予測した。この惑星は、地球の約10倍の質量を持つとされる。

 プラネット・ナインの存在は、数理モデルとコンピューターシミュレーションを用いて予測された。海王星の軌道の外側にあり、氷に覆われた天体やその残骸が存在する領域、カイパーベルト(Kuiper Belt)内に凝集して分布する一群の準惑星の奇妙な挙動については、プラネット・ナインの存在で正確に説明できると考えられている。

 プラネット・ナインは、仮にそれが存在するとしても、発見には数年を要すると天文学者らはみている。はるか遠く、非常に大きな公転軌道上のどこにあるのかもはっきりとは分からない第9惑星を見つけるには、かなり大型の望遠鏡が必要となる。

 これまで長年にわたり、他にも数多くの惑星の存在が数理モデルを通じて予測されてきたが、大半の予測は誤りだった。科学が正しかった有名なケースの一つは、天王星に及ぼす重力から当初、その存在を予測された海王星が発見されたことだ。(c)AFP/Pascale MOLLARD-CHENEBENOIT