【2月22日 AFP】(更新)シリアで21日、首都ダマスカス(Damascus)郊外にあるイスラム教シーア派(Shiite)の霊廟(れいびょう)近くと、中部ホムス(Homs)市ザワラ(Zahraa)地区で自爆攻撃が立て続けに発生し、合わせて155人が死亡した。両事件ともイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 AFP記者によると、ダマスカス近郊の攻撃は、預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の孫娘が祭られているサイイダ・ザイナブ(Sayyida Zeinab)廟から約400メートルの場所で発生。自動車爆弾が爆発した後、2件の自爆攻撃が連続で起きた。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると96人が死亡。国営シリア・アラブ通信(SANA)は警察筋の情報として、複数の子どもを含む178人が負傷したと伝えている。

 またシリア人権監視団によると、ホムスの政権支持派地区ザワラで2件の自動車爆弾攻撃が起き、少なくとも59人が死亡、数十人が負傷した。シリア国営テレビは、救急隊員が黒焦げになった犠牲者たちを担架にのせ、破壊された商店や押しつぶされた車の間を通って搬送する映像を放送した。

 ISはインターネット上に出した犯行声明で、サイイダ・ザイナブで2人が自爆攻撃を行い、ホムスではさらに2人が爆発物を積んだ自動車2台で群衆に突っ込んだと発表した。

 サイイダ・ザイナブ廟周辺では1月にも爆弾攻撃により70人が死亡し、ISが犯行声明を出していた。また、政権の主流宗派であるシーア派の分派アラウィ派(Alawite)が多く住むホムスのザワラ地区は、これまでにも頻繁に攻撃の標的となっている。(c)AFP/Maher al-Mounes with Nicolas Revise in Amman