【2月21日 AFP】ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)で長年主将を務め、2015年に引退したリッチー・マッコウ(Richie McCaw)氏が20日、同国で長年続く国旗変更の議論について口を開き、自身が変更支持派であることを明かした。

 自身のフェイスブック(Facebook)ページでマッコウ氏は、昨年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)でニュージーランド国旗とオーストラリア国旗が並んで掲揚されているのを見たとき、変更の時機が来たことを悟ったと話した。

 両国の国旗は、どちらも左上にユニオンジャック(英国旗)が描かれ、下地は濃いブルーという点は同じ。違いはブルーの部分にニュージーランド国旗は四つの赤い星が、一方オーストラリア国旗は六つの白い星が配されている点だけだ。

 ニュージーランドでは3月に、国旗を新案に変更するかどうかの国民投票が行われる。世論調査によると、変更支持派、反対派で意見は真っ二つに割れている。

 そのなかで、先日「2015年のニュージーランドを象徴する人物」に選出されたマッコウ氏は、W杯の経験をきっかけに変更が必要だとはっきり自覚したと話している。

 マッコウ氏は、W杯の際のニュージーランド国旗とオーストラリア国旗が並んでいる写真を投稿し、そこに「この瞬間、私は国旗をぜひ新しいものに変更すべきだと心に決めました。トゥイッケナム(Twickenham)のグラウンドへ出て国旗を目にした瞬間、やはり二つはあまりにも似すぎていると気付いたのです」とコメントを添えた。

「シルバーファーン(銀色のシダ)は、オールブラックスのジャージーでもずっと以前から特別なシンボルであり、われわれキーウィ(ニュージーランド人)を象徴するものです。ですから、シルバーファーンをあしらった新国旗案が素晴らしい選択肢だと私は確信しています」

 同じくオールブラックスの人気選手であるダン・カーター(Dan Carter)も先日、自身が変更支持派であることを公にしている。

 国旗変更の動きは、ジョン・キー(John Key)首相が先頭に立って推し進めているもので、同首相は現国旗を英植民地時代の名残で、オーストラリア国旗とあまりにも混同しやすいと主張していた。

 世論調査では今のところ現国旗の支持派が優勢だが、9月の調査では全体の70パーセント近くが現国旗派だったのが、直近の調査では56パーセントと差は縮まってきている。(c)AFP