【2月18日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が、実戦に投入する目的で6歳の子どもたちにも戦闘訓練を受けさせているとの報告書を、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が17日、発表した。少年戦闘員の数は2015年半ばから急増しているという。

 タリバンは、参加を認めているのは「心身ともに成熟した」戦闘員のみで、「ひげの生えていない少年」を戦わせることはないと主張している。だが、HRWの報告書によれば、タリバンは積極的に少年たちを集め、IED(即席爆弾)の使い方をはじめとする軍事訓練を受けさせているという。

 HRWのアフガニスタン担当調査員、パトリシア・ゴスマン(Patricia Gossman)氏は「違法なだけでなく、冷酷かつ残忍だ」と批判した。

 HRWが特に懸念を示しているのが北部クンドゥズ(Kunduz)州だ。同州ではマドラサと呼ばれるイスラム教の神学校が、タリバンによって次々と少年たちの軍事教育の場と化しているという。

 少年たちに対するタリバンの教官の洗脳教育は6歳くらいから始まり、7年間の軍事訓練を経て、13歳までには戦闘員として実戦に動員されるという。

 HRWによると、地元住民や専門家は、この1年間に少年兵が増加した大きな理由として、タリバンが昨年4月からアフガニスタン北部で攻勢を強めている点を指摘している。また、地元住民の話では、クンドゥズ州の中でも特に情勢不安定なチャハルダラ(Chahardara)地区では、2015年に100人以上の子どもたちがタリバンに召集され戦闘に動員されたという。(c)AFP