【2月18日 AFP】シリアで17日、政府軍や反体制派に包囲された4つの町に、食料や医薬品を積んだトラックが到着した。シリア内戦の関係国が先週に同国への人道支援拡大に合意して以降、初めての支援物資搬入となった。

 赤新月社(Red Crescent)がAFPに述べたところによると、支援物資は最初に、首都ダマスカス(Damascus)近郊の町ムアダミヤ(Moadimayet)に到着。トラック35台が穀類8800袋、食料4400箱、医療機器などを運び入れた。

 AFP記者によると、政府軍が包囲しているダマスカス県の町マダヤ(Madaya)にもトラック3台が入った。また国連人道問題調整事務所(OCHA)のヤコブ・エルヒロ(Yacoub El Hillo)・シリア担当調整官は、反体制派が包囲している北西部イドリブ(Idlib)県の2つのシーア派(Shiite)の町、フア(Fuaa)とケフラヤ(Kafraya)にも支援物資を載せたトラックが到着したことを明らかにした。

 国連によると、シリア国内では約50万人が包囲地域で暮らしている。エルヒロ氏によると、17日に送られた支援物資は9万3000人分で、上記の4つの町の他、政府軍が包囲するダマスカス県の町ザバダニ(Zabadani)にも向かっている。

 シリア内戦の関係17か国は11日、ドイツのミュンヘン(Munich)で会合を開き、1週間以内の停戦と人道支援の大幅な拡大で合意していた。停戦は19日に発効する予定だが、シリア第2の都市アレッポ(Aleppo)周辺では今月、ロシア軍の支援を受けた政府軍の攻勢が続き、数万人が避難を強いられる事態となっており、長期的な停戦実現の見込みは薄い。(c)AFP