【2月14日 AFP】米南部サウスカロライナ(South Carolina)州グリーンビル(Greenville)で13日、大統領選の共和党候補による討論会が行われた。共和党指名争いでトップを走る富豪のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(69)と元フロリダ(Florida)州知事のジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)氏がこれまでの選挙選で最も激しい非難合戦を繰り広げるなど、討論会は意地の悪い個人攻撃の場と化した。

 討論会は、同日に突然死去した、強硬な保守派として知られていた米連邦最高裁判所のアントニン・スカリア(Antonin Scalia)判事への黙とうで静かに始まった。

 だが、大統領選指名候補争いの3戦目となる同州での予備選を1週間後に控え、討論会はすぐに不快で、敵対した雰囲気となり、トランプ氏やブッシュ氏、テッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員らが激しい舌戦を繰り広げた。

 クルーズ氏から、かつてはリベラルな政策を支持していたと非難されたトランプ氏は、クルーズ氏に対し「唯一最大の嘘つきだ」と反論。

 トランプ氏は、明らかにいら立ち、ライバルたちの話に繰り返し割って入った。特に、ブッシュ家の人気が依然として高い州でジェブ・ブッシュ氏の勢いを弱めようと、外交政策や移民問題で同氏を狙い撃ち。兄であるジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領が始めたイラク戦争を「とんでもない間違い」だと激しく非難したほか、ブッシュ氏の母親が息子の代わりにブッシュ家を代表して16年の大統領選候補になるべきだとも述べた。

 これに対しブッシュ氏は、「ドナルド・トランプ氏がテレビでリアリティー番組を作っている間、私の兄は私たちの安全を守るための安全機構を作った。そして私は兄がしたことを誇りに思っている」と反論。

 ブッシュ氏に対しトランプ氏はさらに、「世界貿易センター(World Trade Center)ビルが崩れ落ちたのは、おまえの兄の任期中だ。それを忘れるな」と言い返した。

 今回の討論会は、仲介する司会者らを候補者たちが無視して非難の応酬を繰り広げる、これまでで最も攻撃的なものとなった。(c)AFP