■トルコとサウジ、シリアへの地上軍派遣を検討

 トルコ紙が同国のメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相の発言として伝えたところによると、サウジアラビアとトルコの両政府は、ロシアの支援を受けて政府軍が反体制派攻撃で成功を収めているシリアへの地上軍派遣を検討しているという。

 チャブシオール外相は「もし(イスラム過激派組織イスラム国(IS))に対する戦略があるなら、トルコとサウジアラビアは地上での作戦に入ることもできる」と述べたという。

 チャブシオール外相によると、サウジアラビアは米軍主導の有志連合軍に参加する英国やフランス、米国がIS空爆の拠点として使用しているトルコのインジルリク空軍基地(Incirlik Air Base)に戦闘機を派遣するという。

 トルコのメディアが軍事筋の発言として伝えたところによると、サウジアラビアは今後数週間内に8~10機の戦闘機をインジルリク空軍基地に展開させる予定で、第一陣としてF16戦闘機4機を派遣する。

 一方、サウジアラビアのアデル・ジュベイル(Adel al-Jubeir)外相はドイツ紙のインタビューで「対IS作戦で地上軍派遣が必要かどうか協議されている」「もし対IS作戦で特殊部隊を派遣すると決まれば、サウジアラビアはそれに参加する準備ができている」と述べた。

■トルコとサウジ、関係改善

 一方、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は、12日に報道されたAFPのインタビューで、トルコとサウジサラビアがシリア国内で軍事介入する可能性は排除できないとの見方を示し、そうなればシリア政府軍は「確実に立ち向かうだろう」と述べた。

 トルコ寄りの姿勢を示していたエジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が2013年に失脚した際、サウジアラビアもモルシ氏追放に一定の役割を果たした。これを機に悪化したトルコとサウジアラビアの関係はこのところ大きく改善している。

 トルコとサウジアラビアは、アサド大統領退陣を求めるシリアの反体制派を強く支持しており、5年続き26万人以上の命を奪ったシリア内戦終結にアサド氏の退陣が不可欠だという見方で一致している。(c)AFP/Stuart Williams with Rouba El Husseini in Beirut