【2月13日 AFP】ナイジェリア北東部の避難民キャンプで58人が死亡した女2人による9日の自爆攻撃で、現場から逃走しようとした3人目の女が、ある髪形の特徴から特定され拘束されていたことが、軍幹部によって12日、明らかにされた。軍幹部によると、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の自爆要員として送り込まれる女たちの髪形は共通して、髪を後ろで束ねる「ポニーテール」であることが分かったという。

 ナイジェリア北東部に強硬なイスラム思想に基づくイスラム国家創設を目指すボコ・ハラムは最近、女性や子どもを自爆要員として使うようになっている。ボコ・ハラムの構成員は地域周辺に住む民族、カヌリ人(Kanuri)が多い。

 AFPの取材に応じた軍幹部によると、カヌリ人の女性は通常、髪を編んでいるが、自爆した女たちの遺体を検証しているうちに全員、髪をポニーテールにしていることに当局では気付いた。9日に自爆が起きたボルノ(Borno)州ディクワ(Dikwa)の避難民キャンプでは、逃走しようとした女がポニーテールだったことから、身柄の拘束につながった。

「徹底的な捜査と、自爆する前に拘束された女たちの供述から、カヌイ人には女性が死ぬと編んであった髪をほどいてポニーテールに結い直すならわしがあり、ボコ・ハラムは、女たちを自爆要員として送り出す際に、その女たちが戻らないと想定し、この儀式をさせられることが分かった」と述べた。

 イスラム教徒が多数派を占めるナイジェリア北部では、ヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭髪を覆うスカーフ)をかぶっている女性が多いが、ディクワの避難民キャンプから逃げようとした3人目の女は、ヒジャブが取れていたと、この幹部は語った。

 女の取り調べの際の映像を見た州当局者によると、女は、自分の両親やきょうだいがキャンプ内に滞在していることに気付いて起爆を思いとどまったと話している。また女は自分について、ディクワに近いボボシェ(Boboshe)という村がボコ・ハラムに制圧された際に連れ去られ、性奴隷にされたと語ったという。当局者は「避難民キャンプに対する自爆攻撃のために、この女の他に4人の少女が選ばれた」と述べた。(c)AFP/Aminu ABUBAKAR