【2月11日 AFP】米司法省は10日、武器を持っていなかった黒人青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さんが白人警官に射殺された事件を受けてまとめられた警察改革案の受け入れをミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)の市議会が否決したことを受け、同市を提訴すると発表した。

 ロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)司法長官は、記者会見で「深く失望した」と表明。「ファーガソン市は、前進する真の機会を得たにもかかわらず、後退する道を選んだ」と批判した。

 2014年にファーガソン市で起きたブラウンさん射殺事件では、数週間にわたって抗議行動が続き、ときに暴徒化。人種問題と米警察当局の対応をめぐり、全米で議論を巻き起こした。

 事件後の米連邦当局の調査では、ファーガソン市で定型化した人種差別がまん延し、憲法上の市民の権利が侵害されている事例が複数認められた。このため同市は、市警組織と裁判所の改革を迫られていた。

 必要とされる改革の概要が記された131ページに及ぶ同意判決文書は、リンチ司法長官によれば、半年以上かけて「忍耐強く行われた交渉」の末にまとめられたもの。だが、ファーガソン市議会は9日、潜在コストの削減を理由に、賛成6票、反対0票で文書を交渉の場に差し戻すと決定した。(c)AFP