【2月11日 AFP】スイス食品大手ネスレ(Nestle)は10日、陸上競技を取り巻く汚職やドーピングスキャンダルが企業価値を損なう恐れがあるとして、国際陸上競技連盟(IAAF)とのスポンサー契約を打ち切ったことを明らかにした。

 世界最大の食品企業であるネスレは、2012年から世界規模の子ども向けスポーツ推進プログラム「IAAFキッズ・アスレチックス」のメーンスポンサーを務めていた。

 しかし、ネスレ側はパートナーシップを継続した場合、「われわれの価値やイメージにネガティブな影響を与えかねない」として、「IAAFとの間に存在する関係を終了することにしました」とコメントしている。

 ネスレの広報担当者は、AFPに対して「私たちはIAAFキッズ・アスレチックスのプログラムにおける提携を打ち切る決定を下しました。今回の決定は、IAAFの汚職疑惑やドーピングに関連したネガティブなイメージを考慮してなされました」と語った。

 ラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)元会長の下で汚職が横行していたことが判明したIAAFは、さまざまな側面で危機に陥っていおり、ネスレと交渉中だったことを認めていた。

 IAAFは声明で、「IAAFとネスレは、IAAFキッズ・アスレチックスのパートナーシップ契約について協議しています」と発表している。

「このプログラムはここまで成功を収めてきました。76か国において、7歳から12歳までの子ども1500万人が健康的でアクティブなライフスタイルを推進する活動に参加しています」

「2016年のIAAFキッズ・アスレチックスは、さらに15か国拡大し、360人の講師にトレーニングを行い、8640人の体育教師を指導します。プログラムが終了するまでにさらに300万人の子どもが参加する計画です」

(c)AFP