【2月10日 AFP】台湾南部を6日未明に襲ったマグニチュード(M)6.4の地震で、台南(Tainan)市の16階建て集合住宅の倒壊による死者は10日までに43人に達し、今も95人が行方不明となっている。検察当局は「手抜き工事」があったとみて、集合住宅の建設を請け負った地元建設会社の3人の身柄を拘束した。

 被災者の生存率が大きく下がるとされる「発生後72時間」は9日未明に経過。台南市の頼清徳(William Lai)市長は同日深夜近くの記者会見で、倒壊現場で救助隊の問い掛けに対して壁をたたく反応があったと明らかにしたが、それから10時間以上たった時点でも救出には至っていない。

 一方、倒壊現場で撮影された写真から、集合住宅のコンクリート製の構造体の隙間に缶や発泡スチロールが詰め込まれていることが分かり、捜査を開始していた検察当局は9日夜、事情を聞いていた建設会社の3人について、裁判所の許可を得て正式に拘束した。裁判所が発表した声明によると、検察当局は倒壊した建物の一部で鉄筋の数が少なかったり、通常より細かったりしていたことを発見したという。(c)AFP