【2月10日 AFP】もしあなたが米国の有権者でいずれかの企業に個人情報を提供したことがあるなら、データ企業がその情報を政党と共有し、潜在的支持者の掘り起こしに利用されている可能性が高い。

　そのような企業の一つ、NGPバン（NGP VAN）は民主党全国委員会のデータベースを管理している。

　最近同社の名が取り沙汰されたのは、技術的な不具合により有権者データへの不正アクセスを許してしまったことが発覚した時だった。今年の大統領選で民主党候補の指名獲得を狙うバーニー・サンダース（Bernie Sanders）上院議員の陣営が、ライバルのヒラリー・クリントン（Hillary Clinton）前国務長官陣営の有権者データを不正に取得したとされる。

　この問題から、どんな人たちがデータベースに記録されているのだろうかという疑問が浮上した。

「みんなだ」と笑ったのは、クリントン氏が2008年に大統領選に向け選挙活動を行っていた際、副インターネットディレクターを務めたケビン・サーマン（Kevin Thurman）氏。「2004年以降の米国の全有権者を対象にしている。生きていようが死んでいようが関係ない」

　NGPバンはその人数を、1億9500万人と推計している。現在有権者登録されている1億4600万人をはるかに上回る数だ。ただし米国では、有権者登録は義務化されていない。

　民主党では、地方選でも大規模な大統領選でも一様に、全候補者がNGPバンのデータを活用している。

　同社は潜在的支持者の掘り起こしを目指す候補者のため、支持の取り付けが絶対に無理だと思われる層をあらかじめ除外してくれる。選挙費用の削減に直結するというわけだ。

　このようなサービスを提供する企業はNGPバン以外にもあり、共和党も利用している。