ITF、賭けに絡む不正で審判員2人を処分 4人を調査
このニュースをシェア
【2月10日 AFP】国際テニス連盟(ITF)は9日、賭けに絡む不正に関わったとして、2人の審判員に永久追放などの処分を科し、同じく疑いがかけられている4人の審判員についても、暫定的な資格停止処分を言い渡して、調査を行っていることを発表した。
ITFと不正防止機関「テニス・インテグリティ・ユニット(TIU)」が一緒に出した声明によれば、カザフスタンの審判員は昨年2月、「試合のスコア記入を操作する」ために大会関係者にコンタクトしたとして、永久追放処分を受けていた。
また、クロアチアの審判員は、選手の状態に関する情報をコーチに流していたほか、賭けサイトにアカウントを登録し、実際に使用していたとして、昨年8月、1年間の資格停止処分を科されていた。
英紙ガーディアン(Guardian)によると、不正に関与した疑いのある審判員は、タブレット端末へのスコア入力を最大1分間遅らせ、結果が分かった状態で賭けを行えるように取り計らっていたという。
また一部のケースでは、スコアを入力する前に、賭けを行っている人々へ、直接メールを送っていた疑いがかけられている。
ガーディアンの報道を裏付けるように、ITFとTIUは「カザフスタンのキリル・パルフェノフ(Kirill Parfenov)は、フェイスブック(Facebook)で他の関係者とコンタクトを取ったため、2015年2月に永久追放となっている」と述べている。
「別件で、クロアチアのデニス・ピトナー(Denis Pitner)は、大会で選手の体調に関する情報をコーチに流していたほか、テニスの賭けが行われているアカウントに頻繁にアクセスしていたため、2015年8月1日から12か月間の資格停止処分を受けている」
ガーディアンによれば、不正が行われたのは最下層のツアーで、東欧で行われた大会だったという。
ITFがデータ会社「Sportradar」と契約し、ライブスコア速報を提供できるようになってから、賭け屋は市場を下部ツアーにも広げている。
英国放送協会(BBC)と米ニュースサイトのバズフィード(BuzzFeed)は、先月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)開幕直前、トップレベルの試合で八百長が行われていると報じ、テニス界を揺るがせていた。
一連の報道を受け、ツアーではTIU監督の下、不正防止策についての独立審査が行われることが決まっている。(c)AFP