【2月5日 AFP】英イングランド(England)東部沿岸で4日、巨大なマッコウクジラ1頭が浅瀬に迷い込み、打ち上げられているのが見つかった。欧州でマッコウクジラが打ち上げられているのが確認されたのは過去2週間で29頭目。

 現場はノーフォーク(Norfolk)州ハンスタントン(Hunstanton)の海岸。大勢の人が見守る中で救出が試みられたものの、クジラは同日夜に死んだ。

 英海洋生物救助隊によれば、クジラがあまりに巨大だったため救う手立てがなかったという。救助隊のスティーブン・マーシュ(Stephen Marsh)氏は、クジラが苦痛から解放されたことがせめてもの慰めだと語った。

 ハンスタントンの海岸では先月にもクジラ1頭が、さらに近くのリンカンシャー(Lincolnshire)州の海岸でもクジラ3頭が打ち上げられている。

 クジラの打ち上げが増えていることについてマーシュ氏は、生息数の増加が原因である可能性があると指摘。「クジラの打ち上げは自然に起きること。捕鯨によってクジラの数が減少していたため、それを目にすることにわれわれが慣れていないだけだ」との見方も示した。

 マッコウクジラは有歯動物では世界最大で、体長は大型のものだと20メートルに達する。聴覚器官による方位認識ができない浅瀬では打ち上げられることがあるが、野生動物保護団体は、船の航行や石油施設から生まれる水中の雑音によって音波が阻害されることが原因だと主張している。(c)AFP