【2月5日 AFP】農業や牧畜のために伐採され、再生している最中の熱帯雨林は、急激に成長するだけでなく、古い森林よりもはるかに多くの二酸化炭素(CO2)を大気から吸収することが明らかになったとの研究が3日、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 熱帯雨林を中心とした植物は、人類が大気中に放出するCO2の30%近くを吸収している。これまでは、林業など産業の手がつけられていない原生林の熱帯雨林の方が、CO2をより多く吸収し、その結果として地球温暖化のペースを緩和することができると考えられてきたが、今回の研究は熱帯雨林の「再生」が、従来考えられていたよりも気候変動対策に大きな役割を果たすことを意味する。

 研究チームは、南米の45か所にある1500の森林の再生を分析した。論文の主著者でオランダのワーヘニンゲン大学(Wageningen University)のローレンス・ポーター(Lourens Poorter)教授は「使われなくなった牧草地や農地で再生する若い森林は、CO2を吸収する速度が驚くほど速い」と説明する。再生中の熱帯雨林は、わずか20年ほどで、古い森林と比べて単位面積当たり11倍のCO2を吸収できるようになっていた。

■森林が最も速く再生する場所は

 森林が最も速く成長するのは、降雨量が多く、年間を通して水が存在する地域だった。土壌の肥沃(ひよく)度や周囲の環境は、降雨量ほど重要ではなかった。

「われわれは取得したデータを基に、南米におけるバイオマス回復可能性マップを作製した」と、論文共著者でワーヘニンゲン大のダナエ・ローゼンダール(Danae Rozendaal)氏は述べ、「地域や国の政策立案者は、保護地区を決める際に、この情報を活用できるだろう」と語った。(c)AFP/Marlowe HOOD