【2月4日 AFP】中南米14か国の保健相は3日、域内を中心に急速に広がるジカ熱の対策をめぐる緊急会合をウルグアイの首都モンテビデオ(Montevideo)で開き、ジカウイルスを媒介する蚊の駆除を進めていく方針を確認した。

 会合には、最悪の感染状況にあると伝えられる2国であるブラジルとコロンビアなどが参加。ジカウイルスを保有する蚊の封じ込めを目的とした啓蒙活動を実施するとした宣言に署名した。

 感染例が150万件と突出するブラジルのマルセロ・カストロ(Marcelo Castro)保健相は記者団に対し、感染防止のため要員52万2000人を配置したと説明。この種の取り組みとしてはブラジル史上最大規模だという。

 新生児の小頭症との関連が疑われるジカ熱は、中南米以外でも感染が広がる恐れが出ている。過去1週間に米テキサス(Texas)州で性交渉による人から人への初めての感染例が確認されたほか、タイやインドネシアでも感染が確認されている。

 保健専門家が特に警戒するのが、大量の蚊が生息し、過去に感染症の急速な拡大に見舞われているアジアでの流行だ。世界保健機関(WHO)の専門家、アンソニー・コステロ(Anthony Costello)氏は「ジカウイルスを媒介する蚊は、アフリカの大半、南欧の一部、アジアの大部分、特に南アジアに生息することが分かっている」と指摘している。

 ジカ熱の拡大をめぐっては国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)もWHOに続き「緊急事態」を宣言。米大陸での対策費用として236万ドル(約2億8000万円)の支援を呼び掛けている。(c)AFP/Caterina NOTARGIOVANNI