【2月4日 AFP】(更新)スイス・ジュネーブ(Geneva)で行われているシリア内戦の終結を目指す和平協議について、仲介役を務める国連(UN)のスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)特使は3日、今月25日まで協議を中断すると発表した。

 本格的な交渉開始に向けた努力を数日間にわたり続けてきたものの成果を上げられなかったデミストゥラ特使は、協議参加者に加えて協議に参加していない利害関係者による「さらなる努力」が必要だとして、協議の中断を発表。ただ、協議の終了や失敗を意味するものではないと強調した。

 だが、協議に参加するシリア反体制派の主要団体「高等交渉委員会(HNC)」は、人道危機を回避するための要求に政権側が応じなければ、協議には復帰しないと表明。人道援助のための包囲地域へのアクセス確保、市民への空爆中止、捕虜の釈放などを求めている。

 一方のシリア国内では、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の政府軍が、反体制派に対する大きな勝利を収めた。政府軍筋がAFPに語ったところによると、政府軍は3日、ロシア空軍が数日にわたり続けてきた空爆による支援の末、北部アレッポ(Aleppo)周辺の2つの村で反体制派が3年間保持してきた包囲網を突破。同市からトルコ国境に通じる反体制派の最後の物資補給ルート断絶に成功した。

 HNCは、アサド政権がロシア軍の援護を受けて地上での攻勢を続けている事実は協議が純粋に和平を目指したものではないことを示していると主張している。だが、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は3日、「テロリスト」が敗北するまで空爆を中止する理由は見当たらないと述べ、空爆を今後も継続する意向を示した。(c)AFP/Maya Gebeily、Rouba El Husseini