■大混雑の小頭症専門クリニック

 この病院の小児神経科では毎週水曜日、小頭症の患者だけを診察するクリニックを開設した。以来、水曜日の待合室はいつも混雑している。最初の週の患者は6人だったが、2週間後には19人に増えていた。今では予約を取るだけでも順番待ちリストに名前を載せないといけない。小頭症の乳児の治療法としては、可能な限り早いうちに脳の損傷のない部位を刺激することが重要だという。

 ブラジルで小頭症に初めて警鐘が鳴らされたのは、北東部で多くの症例が確認された昨年10月だった。ジカ熱の流行から数か月後のことだった。以来、小頭症と診断された症例は270人で、昨年の147人から激増している。また疑いがもたれる症例は、3448人に上っている。

 マテウスさんとクライセさん夫妻はまだ、現実を受け入れきれていない。だが、一つ確かなことは、息子が小頭症で生まれたからといって愛情は変わらないということだ。「彼は自分で願ってこのように生まれてきたわけじゃない。自分で選択できたら、この病気と一緒に生まれてはこなかったはずだ。この子を愛するのは当然のことだ」。こうマテウスさんが語ると、ピエトロ君が頭を父親の方に向けた。「この子は分かってるのよ」とクライセさんが微笑みながら言った。(c)AFP/Natalia RAMOS