【2月2日 AFP】ドイツ南部のニュルンベルク(Nuremberg)で1日、国内で初めてとなる同性愛者の難民向け保護施設が開所した。ドイツでは難民収容施設が過密状態にあり、性的少数者の人々が被害を受ける懸念が高まっていた。

 この取り組みを始めた性的少数者の人権擁護団体「フリーデルリッヒ(Fliederlich)」のミハエル・グラス(Michael Glas)代表は、開所を決断した理由について、難民20人から収容先の施設で身の危険を感じたと打ち明けられたためと説明。「国境を越えても偏見はなくならない」と述べ、祖国で同性愛者であることを理由に迫害される人々はドイツの難民収容施設でも攻撃の対象にされていると指摘した。

 グラス氏によると、今回開所した施設には8人を収容可能。同様の保護施設は今月、首都ベルリン(Berlin)にも開設される予定で、こちらは収容能力が120人とはるかに大型の施設となる。

 ベルリンとブランデンブルク(Brandenburg)州の同性愛者団体は、肉体的暴力や性的暴行、脅迫など、同性愛者の難民が受けた被害は昨年8月1日から12月31日の期間だけで95件に上ったと報告している。(c)AFP