【2月1日 AFP】欧州の移民・難民危機の最前線に立つギリシャの島々の住民に、2016年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を贈ろうという運動がインターネット上で広がり、請願への署名が既に約60万人に達している。

 ノーベル平和賞の候補推薦は2月1日が締め切り。クレタ(Crete)出身の建築家アルクミニ・パパダキ(Alkmini Papadaki)氏がキャンペーン団体「Avaaz」のウェブサイトに立ち上げたオンライン請願には、グリニッジ標準時(GMT)1月31日午後9時(日本時間2月1日午前6時)までに59万7967人が署名した。

「ギリシャの島々の住民は、何年も続く深刻な経済危機にさらされながらも、故郷を追われたシリア難民を助けるために何でもできることを行ってきたし、現在も行っている」と請願書は指摘。「彼らの行動と犠牲を見過ごしてはいけない。彼らは世界の平和と安定に多大な貢献をしている」と訴えている。

 また、世界の著名大学の学者らも、同様の推薦状を独自にまとめたと報じられている。欧州の議員や芸術家、政治家、ギリシャのメディアもこの動きを支持しているという。

 このほか、国営アテネ通信(Athens News Agency)によると複数のギリシャの著名人が連名で、ギリシャ島民の年金受給者と漁師の2人と、オスカー女優スーザン・サランドン(Susan Sarandon)さんを同賞候補にするようノーベル賞委員会(Nobel Committee)に書簡を送ったという。

 島民2人はエミリア・カンビュシス(Emilia Kamvysis)さん(85)とストラティス・バリアモス(Stratis Valiamos)さん(40)で、難民たちへの熱心な奉仕活動で地元の有名人となっている。一方のサランドンさんは、レスボス(Lesbos)島を訪問してボランティア活動を行い、移民危機について人々の関心を高めたとして候補に挙がっているという。

 国連の統計によると、ギリシャの島々には平均で1日に1900人以上の移民や難民が上陸している。(c)AFP