【1月30日 AFP】イタリア捜査当局のマフィア対策班は29日、10年以上にわたって逃亡生活を続けていたマフィアの幹部2人を逮捕したと明らかにした。南部の山中にある隠れ家で「獣のように暮らしている」ところを発見したという。

 逮捕されたのは、ジュゼッペ・フェラーロ(Giuseppe Ferraro)容疑者(47)とジュゼッペ・クレア(Giuseppe Crea)容疑者(37)。最大規模の勢力と極めて高い資金力を持つ犯罪組織「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」の幹部で、警察当局がAFPに語ったところによると、共にイタリアの最重要指名手配犯のリストに含まれていたという。

 フェラーロ容疑者は、数件の残虐な殺人罪で本人不在のまま有罪判決を受けたが、18年にわたって逃亡。一方のクレア容疑者は、マフィアとの交際と恐喝容疑で指名手配を受けたが、10年前に姿を消していた。敵対する相手の10代の息子を2009年に射殺した疑いもあるという。

 担当検事は記者会見で、南部のレッジョ・カラブリア(Reggio Calabria)県マローパティ(Maropati)付近の山中にあった隠れ家について、「うっそうとした茂みや木々に隠れたコンクリートの倉庫」と説明。2人は「社会から隔絶された、獣のような生活を送っていた」が、必要に応じてマフィア絡みの問題を裁けるよう裏組織との接触を続けていたと述べた。

 警察は1年前から付近で張り込みを続け、2人が就寝中に隠れ家を急襲。自動小銃1丁をはじめ、壁に掛けられていたライフルや拳銃を押収したという。(c)AFP/Ella IDE