【1月29日 AFP】アルゼンチン政府は28日、フーリガンのデータベースを作成すると発表するとともに、暴力行為で試合を台無しにしないようにするため、選手たちにはフェアプレーを学ぶよう求めた。

 同国1部リーグのボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)の元会長だったマウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領は、この発表の数時間前、ボカとライバルクラブのリーベル・プレート(River Plate)が、親善試合のピッチ上で乱闘を起こしたことを受け、選手たちにより良い手本を示すよう求めていた。

 両クラブの熱狂的なサポーターらによるフーリガン行為は長らくアルゼンチンのサッカー界を混乱させており、このデータベースはスタジアム入りを禁止されている人物を登録するために開発される。

 治安省は「緊要の目的は、サッカー界での暴力行為およびフーリガン行為を終わらせることである」としている。

 一方で政府はアルゼンチンサッカー協会(AFA)に対し、すべてのレベルの選手や指導者、審判が「フェアプレーとリスペクトの価値」を学ぶプログラムを設けることを求めた。

 23日に行われたボカとリーベルの「親善試合」では、5人の選手が退場処分となっており、マクリ大統領はこれを受け「恥ずべき」光景だとコメントしていた。

 また、昨季のリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2015)では、ボカの単独、あるいは複数のサポーターがリーベルの選手に毒性のある液体で危害を加えたとして、大会から追放となった。

 リーベルの選手が後半戦に向けてピッチへ戻る際、サポーターがロッカールームとピッチをつなぐ空気で膨らまされたトンネルに化学性の刺激物を放ったとみられている。

 この襲撃により何人かの選手は苦しそうな様子で目元を押さえ、痛みを取るためにチームメートから顔に水をかけられた。

 NGOの「サルベモス・アル・フトボル(Salvemos Al Futbol)」は、アルゼンチンでは熱狂的なサポーター間での暴力行為で昨年6人が死亡していると発表している。2014年は16人だったため、死亡者数は減少している。(c)AFP