【1月29日 AFP】フランス・パリ(Paris)の裁判所は28日、英ロックギタリストのエリック・クラプトン(Eric Clapton)さんに対し、デンマーク系フランス人画家の絵画を無断で改変してアルバムのジャケットに使用したとして、1万5000ユーロ(約195万円)の損害賠償を画家の遺族に支払うよう命じた。

 クラプトンさんを訴えていたのは、1969年に死去した画家エミール・フランセン(Emile Frandsen)氏の遺族。

 判決によると、クラプトンさんは自身が所属していた米ロックバンド「デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek and the Dominos)のアルバム「いとしのレイラ(Layla and Other Assorted Love Songs)」の発売40周年を記念して2011年にリリースされたコレクター版のジャケットに、フランセン氏の作品に手を加えて使用したとされる。

 この作品は、1970年にフランセン氏の息子がクラプトンさんに贈った絵画「ブーケを持つ少女(La Jeune Fille au Bouquet)」で、クラプトンさんは数か月後に発売された「いとしのレイラ」オリジナル版のジャケットに使用していた。一方、コレクター版ジャケットでは厚紙を使って立体的に飛び出して見える仕掛けを施して使った。

 裁判所は、この仕掛けについて「フランセン氏の作品をゆがめたことは明らか」と判断した。ただし、オリジナル版ジャケットへの絵画の使用については、無断使用だとして遺族が求めていた賠償請求を棄却した。

 遺族側の弁護士によると、フランセン氏の娘はオリジナル版ジャケットへの絵画の無断使用のほうが厳しく罰せられるべきだと主張しており、控訴する方針だという。(c)AFP