【1月28日 AFP】北アフリカを拠点とする国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」が、西アフリカのマリでスイス人女性を拉致したと主張する動画を公開した。AFPが27日、内容を確認した。

 スイス出身のベアトリス・ストックリー(Beatrice Stockly)さんは今月7日、マリ北部のトンブクトゥ(Timbuktu)の自宅に押し入ってきた武装集団に連れ去られた。ストックリーさんは数年前からトンブクトゥ在住で、2012年にもイスラム過激派に拉致された経験がある。

 約8分間の動画では、武器を振りかざす戦闘員らの映像に続き、覆面の男が訛りのある英語でストックリーさん拉致の犯行声明を読み上げ、人質解放の条件を挙げている。

 覆面の男は、ストックリーさんがイスラム教徒にキリスト教を布教しようとしており、反イスラム的だと非難。2012年に拉致された際、イスラムの土地に戻ってキリスト教の布教活動をしない条件で解放されたにもかかわらず、合意を破ってトンブクトゥに戻ったため再び拉致したと述べている。

 男はストックリーさん解放の条件として、マリで服役している複数のAQIM戦闘員と、オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)に勾留されている同組織幹部、アブ・トゥラブ(Abu Tourab)容疑者の解放などを要求している。

 動画の最後には、黒いヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭髪を覆うスカーフ)を身に着けたストックリーさんが登場し、自己紹介するとともに「今日は2016年1月19日」だと述べている。(c)AFP/Hademine OULD SADI