【1月24日 AFP】フランス北部カレー(Calais)の港で23日、英国を目指す移民ら数十人が係留されていたフェリーに乗り込み、警察に退去させられた。当局が明らかにした。警備が厳重なこの港で、移民らが船に乗り込むことは非常に珍しいという。

 当局者がAFPに語ったところによると、「500人の集団が警察の警備線を越えて港へ向かい、150人がフェンスで囲まれたエリアに侵入した。このうち約50人がフェリーに乗り込んだ」という。

 港側の声明によると、フランスの主要な旅客港であるカレーの港では、乗船した移民たちが警察によって静かに退去させられるまで約2時間にわたって、運航や港湾業務などが停止した。英港湾・フェリー運営会社P&Oが運航するフェリー、「スピリットオブブリテイン(Spirit of Britain)」には推定30~40人の移民が乗り込んだという。

 港の責任者であるジャンマーク・ピュイセソ(Jean-Marc Puissesseau)氏は、「ジャングル」の移動を呼び掛け、「移民キャンプが近くにあり、(そこに)かつてないほど多くの移民がいることで、港湾施設の安全を確保することは非常に難しくなっている。国がいくら対策を講じてもだ」と語った。

 港での出来事に先立ち、カレー近郊では、英国やべルギー、イタリア出身の人々を含む約2000人が、「ジャングル」と呼ばれる移民キャンプの劣悪な生活環境に対する抗議活動を行っていた。(c)AFP