【1月21日 AFP】英国の小学校で、英語の授業中にテラスハウスを「テロリストハウス」と書き間違えたイスラム教徒の男子児童(10)が、警察の事情聴取を受けていたことが分かった。男児の家族は、不適切な対応だとして謝罪を要求している。

 この男児は、英作文で自分の家は「terraced house」(棟続きの住居)だと書こうとした際、つづりを間違えて「terrorist house」と書いてしまったという。英国放送協会(BBC)によると、この作文ミスを受けて男児は昨年12月7日、イングランド(England)北西部ランカシャー(Lancashire)州の自宅で警察から事情聴取され、家族の所有するパソコンも捜査対象になった。

 英国では、昨年7月から教師に対し、児童や生徒に不審な様子が見られた場合に報告するよう義務付けている。

 だが、男児のいとこは「30歳の男の話なら想像できるが、あんな子ども相手にあり得ない」「あの子を心配するなら、つづりの心配をするべきだ」と教師を非難。「あの子は今、書くことも想像力を働かせることも怖がるようになってしまった」とBBCに語っている。

 英国イスラム協議会(Muslim Council of Britain)の幹部は、政府のテロ対策法を批判。「日常生活を送っている普通の人たちが、治安対策というレンズを通すと児童・生徒ではなく潜在的テロリストと見られてしまう」と述べ、懸念を表明した。(c)AFP