【1月21日 AFP】サッカースペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するリオネル・メッシ(Lionel Messi)の脱税疑惑に関する裁判が、5月31日からバルセロナ(Barcelona)の高等裁判所で始まることが明らかになった。裁判所が20日に発表している。

 メッシと父親のホルヘ・オラシオ・メッシ(Jorge Horacio Messi)氏には、ベリーズとウルグアイの企業と結んだ肖像権契約に関連して、2007年から2009年にかけて合計416万ユーロ(約5億6000万円)の税金を申告しなかった脱税の罪に問われている。

 検察は、スペインのスポンサーと結んだ高額の契約料の課税を逃れる隠れみのとして、実体のないこの会社を利用したとみている。メッシの財務は子どものころから父親のホルヘ氏が管理しており、検察は今回の行為もメッシ本人は関知していないとみている。そのため、メッシの告訴は取り下げることを申し出ていたが、裁判所は2015年10月、「両者が犯罪行為に及んだと考えるに足る合理的な兆候がある」として、申し出を退けていた。

 税務署の代理を務める弁護士は、2人を22月の禁錮刑に処することを求めている。メッシとホルヘ氏は容疑を否定し、原因は元アドバイザーにあると主張しているが、父親は2013年8月に500万ユーロを自発的に支払っており、これは処分の軽減を狙った行動だとみられている。

 ただし、仮に有罪となったとしてもスペインの場合、初犯の2年以下の禁錮刑は基本的に執行猶予となるため、メッシや父親が実際に収監される可能性は低い。

 カタルーニャ高等裁判所によれば、裁判は5月31日から6月3日まで行われる予定としている。スペイン1部リーグと欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)は全日程が終了しているため、裁判がメッシの試合出場に影響することはない。

 ただし、6月3日からはコパ・アメリカの100周年記念の特別大会、コパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)が開幕するため、6日に初戦を行うアルゼンチンに影響が及ぶ可能性がある。(c)AFP