1年間の移籍禁止がレアルとアトレティコに与えうる影響
このニュースをシェア
【1月15日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)とアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)は14日、未成年の選手との契約に不正があったとして国際サッカー連盟(FIFA)から1年間の新選手登録を禁止された。
AFPは、今月の移籍市場終了後から12か月間補強を行うことができない両クラブに起こりうる影響をまとめた。
■ジダン政権下で「銀河系」は無しに
新指揮官にジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督を迎えたばかりのレアルにとって、この処分は大きな痛手となる。2001年に自身が当時の世界最高額でレアルに加入したときのように、ジダン監督はこれまでの監督のように巨額のオファーを出すことができない。同監督は、ポール・ポグバ(Paul Pogba)やロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)の獲得に興味を示していると伝えられている。
■ロナウド、ベイルは残留へ
幸運なことに、ジダン監督の下にはすでに世界最高で最大のメンバーがそろっており、チームの刷新を急ぐ必要はない。
実際には、このニュースはクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)やギャレス・ベイル(Gareth Bale)の今夏の獲得を画策していた、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)といったクラブにとって大打撃となるかもしれない。レアルは適当な代役を獲得することができないため、最高の選手を売り出すとは考えにくい。
■グリーズマンはアンタッチャブルな存在に
この処分が下る前に、アトレティコがアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)に高額の新契約をオファーする計画があるとのニュースが出回っていた。
新契約では契約解除金の額もさらに大きくなるとみられており、処分が解かれるまで同選手を手に入れようとするクラブを回避しようとしている。
■先の見えないシメオネ監督の将来
ここ数年、アトレティコは主力選手の放出後も、見事に代役となる選手を見つけ出している。しかしながら、ここ4年間でクラブの命運をがらりと変えたディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督が収めた成功を再現できる人物を探し出すことは、より難しい課題となる。
アトレティコと2020年まで契約を結んでいるシメオネ監督だが、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やチェルシー(Chelsea)が新指揮官として招へいを狙っている。
2017年に新スタジアムへ移転するアトレティコだが、仮に今季リーグ制覇や欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を制覇すれば、シメオネ監督は眺望を変えるという希望を加速させるかもしれない。
■バルセロナにもたらされるアドバンテージ
FCバルセロナ(FC Barcelona)は新選手の登録を1年間禁止された2015年に5冠を達成しており、スペイン首都の両クラブにとって格好の手本となっている。バルセロナは処分が効力を発揮する前の2014年夏に、ルイス・スアレス(Luis Suarez)やイヴァン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)といった選手を獲得した。
マドリード(Madrid)の両クラブも1月の残りの移籍市場で補強を行うことが可能となっているが、シーズン中に質の高い選手を獲得することは並大抵のことではない。
処分により移籍市場で戦えず、ピッチでも苦しい状態となれば、リオネル・メッシ(Lionel Messi)らを擁するバルセロナはスペイン国内の王者の座を脅かされることはないだろう。(c)AFP/Kieran CANNING