【1月14日 AFP】英国の伝説的ロックミュージシャン、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)さんの死去を受け、世界中で花束やろうそくなどによる追悼が行われているが、ファンらが永遠に残すことを望んでいる賛辞が、一つある──「デヴィッド・ボウイ通り」と改名された、米テキサス(Texas)州の州都オースティン(Austin)市内の通りだ。

 オースティンにはすでに、メキシコからの独立を目指したテキサス革命で活躍し、アラモ(Alamo)の戦いで死亡したジェームズ・ボウイ(James Bowie)の名前がついた通りがあった。

 だが13日朝、この通りの標識が突然、「デヴィッド・ボウイ通り」へと変えられていた。悲しみに暮れたファンが、ボウイさんのファーストネームをこっそり付け足したとみられる。

 こうした行為は、厳密に言うと器物損壊に当たる可能性がある。だが、テキサス州内でもリベラル派が多い都市で、活気のある音楽シーンや「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」フェスティバルなどでも知られるオースティンの市当局は、今のところ寛大に受け止めている。

 スティーブ・アドラー(Steve Adler)市長は、ボウイさんのヒット曲の歌詞を引用し、「オースティン中心部のボウイ通りがチ・チ・チ・チ・チェンジド(変わった)」とツイッター(Twitter)に投稿。市の交通当局は、この標識を19日までそのまま放置すると発表した。

 だが署名サイト「Change.org」ではすぐに、「デヴィッド・ボウイ通り」を永遠のものにしようと求める請願書が出現。請願書は、オースティンにはすでにカントリー界の大御所で地元住民でもあるウィリー・ネルソン(Willie Nelson)さんの名前を付けた大通りが存在すると指摘している。

 ソーシャルメディアでは、ジェームズ・ボウイの方がテキサス州にとってより重要だとする批判も出ているが、請願書は、ジェームズ・ボウイの栄誉をたたえる学校がすでに存在していると反論している。

 グラムロックの先駆者で、ソウルやエレクトロニカ、ハードロック、ジャズなどさまざまなジャンルでも活躍したデヴィッド・ボウイさんは10日、がんのため69歳で死去した。(c)AFP