【1月14日 AFP】トルコの最大都市イスタンブール(Istanbul)の観光地で12日に起きた自爆攻撃で、同国政府は13日、計5人の容疑者を拘束したと発表した。ドイツ外務省によると、爆発ではドイツ人観光客10人が死亡した。

 トルコ政府によると、自爆犯とされるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」所属のシリア人の男(28)は、最近シリアから難民としてトルコに入国していた。

 エフカン・アラ(Efkan Ala)内相は、容疑者1人を12日に拘束したと発表。続いてアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)首相が、13日にさらに4人の容疑者を拘束したと発表した。

 国営メディアによると、トルコ治安当局は全土でここ数日にわたりIS構成員の疑いがある74人を摘発したが、12日の自爆攻撃への直接の関与が疑われる者がいるかは不明。

 ダウトオール首相は、自爆犯の男は指名手配者リストには載っていなかったものの、「普通の移民」としてシリアに入国したと述べ、男が220万人を超えるシリア難民の1人として入国していたことを明らかにした。

 ナビル・ファドリ(Nabil Fadli)容疑者と特定された実行犯について、地元紙サバハ(Sabah)は、1月5日に難民としてトルコに入国したと報じている。その際にトルコ当局によって指紋が採取されたが、当局は容疑者が指名手配リストに載っていなかったと説明している。

 事件現場となったスルタンアフメット広場(Sultanahmet Square)は、オスマン帝国時代のブルーモスク(Blue Mosque)やアヤソフィア(Hagia Sophia)教会など、トルコ随一の歴史的名所が集まった場所。爆発による負傷者は15人で、大半がドイツ人だったが、ノルウェー人とペルー人がそれぞれ数人、トルコ人が少なくとも1人含まれている。(c)AFP/Stuart Williams and Dilay Gundogan