■今後待たれる公式発表

 南極で行われていた重力波観測研究プロジェクト「BICEP2」の科学者チームは2014年、このまさしく時空のさざ波そのものを発見したと発表したが、その後すぐに、それが単なる銀河の塵(ちり)にすぎなかった可能性があることを認めた。

 今回のうわさについて、LIGO共同研究プロジェクトの広報担当、米ルイジアナ州立大学(Louisiana State University)のガブリエラ・ゴンザレス(Gabriela Gonzalez)教授(物理学・天文学)は、現時点で正式に発表するものは何もないと話している。英紙ガーディアン(Guardian)が同教授の言葉を伝えた。

「LIGOの観測機器は今日もデータを取り続けている。結果の分析、解釈、精査には時間を要するため、公表すべき結果はまだ何もない。結果を慎重に精査した上で公表することを誇りとしているため、これにも時間がかかる。重要な結果については、論文の査読を受けてから結果を公表する予定だ」(ゴンザレス教授)

 一部科学者の中には、うわさされている検出が実際の発見ではなく、科学チームのための「予行演習」にすぎないと指摘する見方もある。

 この指摘についてクラウス氏は、「発信源不明の信号を入力して、実際の発見を再現するテストが内密に実行されることに留意すべきとの話もあるが、今回のものはそれとは違う聞いている」とツイートしている。

 どちらにせよ、詳細が全て明らかになるまでには、もうしばらく待つ必要がありそうだ。

 LIGOチームによる1回目の観測データ収集期間の終了日は12日。英科学誌ニュー・サイエンティスト(New Scientist)は、「今回の観測結果については今後数か月以内に詳細を知ることができるだろう」と話すゴンザレス教授の言葉を伝えている。(c)AFP