【1月11日 AFP】(写真追加)仏風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の本社襲撃事件から1年を迎えたパリ(Paris)で10日、静かに追悼式典が行われた。

 式典が行われたレピュブリック広場(Place de la Republique)の入り口では、参加者約2000人が厳重なセキュリティーチェックを受けた。

 参加者の一人(52)は、「1年前、『怖くなんかない』と書かれたポスターがあちこちにあったが、実際は怖かった」と語った。「だけど、この広場や、路上カフェ、コンサートに行き続けなきゃならない。恐怖とともに生きる術を知り、何もあきらめないために」

 昨年1月7日のシャルリー・エブド襲撃事件では、12人が殺害された。その翌日には別の過激派メンバーが警官1人を射殺、さらにユダヤ教徒向けの食品を扱うスーパーマーケットで4人が殺害された。

 10日の行事では、昨年11月13日に起きたパリ同時テロの犠牲者130人も追悼された。

 大統領府は、追悼式典を主催したフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領が式典後にパリの主要モスクを予告なしに訪問し、「お茶を飲みながら友情と友愛のひととき」を過ごしたと明らかにした。

 イスラム教徒のコミュニティーはこの週末、事件後に非イスラム教徒との懸け橋を築くためとして、フランス全土でモスクの門戸を開いた。

 犠牲者に音楽と朗読をささげた静かな追悼式典は、昨年1月11日に市民400万人がフランス全土で繰り広げた第2次世界大戦(World War II)後としては最大規模のデモとは似ても似つかないものだった。

 アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)パリ市長は、追悼式典の参列者が少なかったことを認め、「パリジャンは死を嘆き悲しむ人たちじゃないんです」と冗談めかして述べた。(c)AFP/Gina DOGGETT/Guy JACKSON