【1月10日 AFP】今年行われる米大統領選挙で共和党指名獲得争いの首位に立つドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙集会で、イスラム教徒の米国入国の一時的禁止などを訴えている同氏に対し、無言の抗議を行ったイスラム教徒の女性が会場から退場させられた。

 集会は8日に、南部サウスカロライナ(South Carolina)州で行われた。集会での出来事はテレビで放映され、頭にスカーフを巻き、「サラーム(アラビア語で平安、平和の意味)、私は平和に来ている」と書かれた、ゆったりした緑色のシャツを着た客室乗務員のローズ・ハミド(Rose Hamid)さん(56)と伝えられている女性が、他の人たちは座っているのに、1人だけ演台を見つめて無言で立っている様子が映っていた。

 その後、トランプ氏の支持者たちが女性の顔の前で同氏の名前が書かれたプラカードを振り、同氏への声援を送り始めたため、女性は警察官に付き添われて退場した。

 女性は、支持者の1人が彼女に向かって「おまえは爆弾を持っている、おまえは爆弾を持っている」と叫んだあと、「険悪な雰囲気があっという間に広がり、本当に恐ろしかった」と、米CNNに集会のあと語った。

 CNNによると、この女性やそのほか数人が退場させられた後、トランプ氏は「信じられないが、私たちに対する憎悪がある」と語ったという。(c)AFP