【1月9日 AFP】オランダでチーズの盗難事件が相次いでいるとして、生産者団体が8日、農家に貯蔵室周辺の警備を強化するよう呼び掛けた。

 盗難被害が続出しているのは、原産地名称保護指定されている特産の「ボエレンカース(Boerenkaas)」。黄色い丸型の熟成チーズで、その名は「農家のチーズ」を意味する。

 オランダ酪農生産者連盟(BBZ)によると昨年、少なくとも6つのチーズ農家が被害に遭った。2014年までは盗難事件は起きていなかったという。

 蘭タブロイド紙「NRC」は8日、盗まれたチーズは少なくとも8.5トンに上り、被害総額は約9万ユーロ(約1150万円)相当に及ぶと報じた。最も被害が大きかったのは、南部ヘラウ(Hellouw)で一晩にボエレンカース約200個、およそ2万6500ユーロ(約340万円)相当が盗まれた事件だという。

 窃盗犯は現場に何の手掛かりも残しておらず、いったい何者がチーズを盗んだのかは謎に包まれているが、海外で売りさばくのが目的とみられている。

 被害に遭った農家によれば、犯人は熟成の進んだチーズのみを持ち去り、新しく作ったチーズには手を付けていないことから、最も品質の良いチーズを嗅ぎ分ける方法を正しく知っているようだという。(c)AFP