【1月7日 AFP】仏作曲家で指揮者のピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez)氏が5日、死去した。90歳だった。親族が明らかにした。ブーレーズ氏は、20世紀のクラシック音楽界における最も偉大な人物の一人で、新たな境地に挑み続けた現代音楽の第一人者だった。

 同氏の死去を受け、米国では6日、複数の一流オーケストラが追悼の意を表した。ブーレーズ氏は生前、米国とのかかわりが深かった。1970年ごろにクリーブランド管弦楽団(Cleveland Orchestra)で指揮者に就任し、その後、ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic)で音楽監督を務めた。

 ブーレーズ氏の死去を受け、ニューヨーク・フィルの現音楽監督であるアラン・ギルバード(Alan Gilbert)氏は、「フィルハーモニックでブーレーズ氏が発揮した指導力は、革新と創造への挑戦を暗黙のうちに根付かせ、現在もわれわれを触発し続けている」とコメントしている。

 ニューヨーク・フィルは6日、今週行われる演奏を、ブーレーズ氏への追悼コンサートとすると発表した。コンサートでは、シベリウス(Sibelius)やリヒャルト・シトラウス(Richard Strauss)、ワーグナー(Wagner)などの作品が演奏される予定。

 クリーブランド管弦楽団も同日、ブーレーズ氏90歳の誕生日に行われた昨年のコンサートの模様を一部公開した。(c)AFP