【1月6日 AFP】グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスの3か国を指す中米の「北部三角地帯(Northern Triangle)」で2015年に発生した殺人事件は、前年比11%増の計1万7422件だった。今週発表された警察の暫定集計で明らかになった。戦場以外では殺人の発生率が最も高いとされる同地域の治安の悪さが改めて裏付けられた格好だ。

 これら3か国で殺人発生率が高い背景には、激しい縄張り争いを繰り広げたり、市民を暴力で支配したりしようとするギャングの存在がある。

 警察によると、3か国合計の殺人件数を押し上げたのは主にエルサルバドルでの増加だ。同国では人口10万人当たりの殺人事件発生数が104件、殺人被害者数は6657人に達し、前年比67%の激増で、殺人事件の発生率は世界最悪となった。

 また人口10万人当たりの殺人事件発生数は、ホンジュラスが57件、グアテマラが36件で、いずれも国際的に見て極めて高い水準だ。国連薬物犯罪事務所(UNODC)の入手可能な最新データによると、英国は1件前後、米国は4件前後、ブラジルは25件前後となっている。(c)AFP