【1月6日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の事務局長で、チケットを不正に売買した疑いで職務停止処分を受けていたジェローム・バルク(Jerome Valcke)氏について、FIFAの倫理委員会は5日、9年間の活動禁止処分を要求した。

 FIFAの元ナンバー2である55歳のバルク氏については、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)のチケットを正規価格よりも高い値段で不正に売買した疑いがかかっており、FIFA内部の法執行機関である倫理委員会に設置された調査室が同氏の調査を行っていた。

 調査室は声明で、バルク氏は「開示義務、協力、利益相反の報告」といった「一般的な行動原則」に反し、「贈答品を受け取るなどの利益を得た」ほか、複数の違反を犯したと主張している。

 調査室はほかに10万スイスフラン(約1200万円)の罰金、そしてバルク氏に科されていた90日間の暫定的な職務停止処分は、5日で期間が満了となるため、これを45日間延長することも求めている。

 FIFAでは今後、審議室の審査官が提出された証拠に基づいて審議を行う。資格停止延長の要請については、5日中にも承認される可能性がある。

 ただし仮に承認されなかった場合でも、バルク氏は倫理委員会による罰則とは別に、FIFAの管理部からも無期限の活動停止を言い渡されているため、職務に復帰することはできない。

 これに対してバルク氏側は、弁護士のバリー・バーク(Barry Berke)氏が本人を代理して声明を発表し、「FIFA倫理委員会の調査室は、ジェローム・バルク氏の模範的な行動、および事務局長としての長い任期で果たしてきた多大な貢献を無視することを選んだ」として調査室を非難した。

「本日発表されたプレスリリースは、単なるイメージアップのためのPRに過ぎない。バルク氏を不当に攻撃することで、内部の警察機構が機能していると必死に証明しようとしているのだ」

「バルク氏は過ちを一切犯しておらず、外部団体が事実を公正に評価すれば、今回のような判断になることはあり得ない」

 バルク氏はチケットの不正売買以外にも、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の元会長、ジャック・ワーナー(Jack Warner)氏への1000万ドルの贈賄の疑いも持たれている。(c)AFP