【1月2日 AFP】パキスタンとの国境に近いインド北部パンジャブ(Punjab)州パタンコート(Pathankot)で2日未明、イスラム過激派とみられる武装グループが空軍基地に侵入、治安部隊との銃撃戦となり、グループの2人が死亡した。当局者が明らかにした。両国の不安定な対話プロセスに打撃を与えた格好だ。

 当局者によると、パキスタンに拠点を置くイスラム過激派「ジェイシモハメド(Jaish-e-Mohammed)」のメンバーとみられる男少なくとも4人が午前3時30分(日本時間同7時)ごろ基地に侵入した。4人は軍服を着ていたという。

 インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は約1週間前の先月25日、同国の首相として11年ぶりにパキスタンを電撃訪問したばかりだった。今回の襲撃は、1947年の分離独立以来、3度にわたり戦火を交え、共に核保有国でもある両国の対話に水を差す恐れがある。

 州の警察幹部は、「武装勢力のメンバーが隠れていないか調べていた治安部隊が、銃撃戦が終わってから数時間後に銃撃を受けた。基地内の1か所で武装勢力に対応している」と述べた。

 同幹部は武装グループの少なくとも2人が死亡したと述べるとともに、治安部隊側の6~7人が負傷し、重体になっている隊員がいることも明らかにした。

 パタンコート空軍基地は戦闘機数十機が配備されており、パキスタン国境まで約50キロという位置にあるため戦略的に重要な拠点となっている。ある治安当局幹部は匿名を条件に、治安部隊はこれまでのところ襲撃によって基地に重大な被害が出るのは食い止めていると述べた。

 ジェイシモハメドはパキスタンの非合法組織で、両国が分割支配するカシミール(Kashmir)地方でのインドの支配に反発して戦闘を繰り広げている。同地方をめぐっては、インドからの分離を狙う勢力とインド側の紛争でこれまでに約10万人が犠牲になっている。(c)AFP/Narinder Nanu