【1月2日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は1日に行った年頭演説で、自らの大統領任期中に「やり残している仕事」として、銃による暴力と闘い抜くことを今年の決意として掲げた。

 オバマ大統領は、年末年始の休暇明けの4日にロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)司法長官と会い、銃による犠牲者を減らすために取り得る選択肢について協議する意向を明らかにした。

 今年が任期最後の年となるオバマ氏は、これまでの7年間を振り返り、自殺を含め年間3万人以上の米国人の命を奪っている銃の「病のまん延」状態をほとんど改善できていないことに悔悟の念を表し、「私の新年の決意は、我々がやり残している仕事を可能な限り推し進めること、特に銃による暴力という病との闘いだ」と述べた。

 米CNNやニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、大統領任期が残り少ないこと、また銃論争において議会との一致点を見いだせる見込みがほとんどないことから、オバマ氏が12日の一般教書演説の前に、新たな銃規制を課す大統領令を発令するとの見通しを報じている。この新たな規制には、銃を販売する際の身元確認の強化の他、輸送中の銃の紛失・盗難をめぐる報告の強化、中小業者の販売許可の厳格化などが含まれるとされる。

 銃規制や銃の所持に関し、米議会や世論の意見は真っ二つに割れている。その亀裂の深さは、1日に共和党寄りのテキサス(Texas)州と、政治的に対極にあるカリフォルニア(California)とオレゴン(Oregon)両州で、対照的な銃関連法が施行されたことにも表れている。

 カリフォルニア州では、他者や自らを傷つける恐れがあるとみなされる人物から裁判所が銃を押収する手続きを簡素化した。またオレゴン州では、家庭内暴力で有罪となった人物の銃および弾薬の所持を禁じる法律が施行された。一方テキサス州では、人から見える形で銃を携行することを認める法律が施行された。(c)AFP/Stephanie GRIFFITH